初めての遊漁船ジギング|初心者が失敗しやすいポイントと釣るための基本
はじめに|初めての遊漁船ジギングで一番大事なのは「釣っている時間」
初めて遊漁船に乗ってジギングをする時は、分からないことが多いと思います。
どんなタックルを持って行けばいいのか。
ジグは何gを使えばいいのか。
船長には何を聞けばいいのか。
周りの人とオマツリしたらどうするのか。
そもそも、自分だけ釣れなかったらどうしよう。
実際、初めての人ほど釣り以外の部分で手間取ることがあります。船長のアナウンスを聞き逃したり、タックルの準備に時間がかかったり、周囲と違うタイミングでジグを落としてオマツリしたり。
こういう時間が増えるほど、当然ですがジグが海の中に入っている時間は減ります。ジグが海の中に入っていなければ、魚が食うチャンスもありません。
当たり前の話ですが、初めのうちはこの「実際に釣りをしている時間」をできるだけ長くすることが重要だと思っています。高価なタックルを持つことでも、最初から難しいアクションを完璧に覚えることでもありません。まずは準備を整え、船長の話を聞き、周囲とタイミングを合わせ、とにかくジグを海の中へ入れている時間を増やす。
これが、初めての遊漁船ジギングで魚に出会う確率を上げる一番基本的な考え方です。
乗船前にタックルは「あとジグとフックを付ければ釣れる」状態まで準備する
まず、船に乗る前の準備です。
最低限おすすめしたいのは、持って行くタックルをすべて「あとジグとフックを付ければ、そのまま釣りを開始できる」状態まで組んでおくことです。
ロッドとリールをセットする。ラインを通す。リーダーを結ぶ。ここまではもちろんですが、リーダーの先にはリングとスプリットリング、またはスイベル付きスプリットリングまでセットしておいた方がいいです。
ここまでできていれば、船に乗ってからはジグとフックを付けるだけで釣りを始められます。基本的なことですが、たまにここまで準備していない人もいます。船に乗ってからリーダーを結び始めたり、リングを探したり、ノットを組み直したりしていると、それだけで釣りを開始する時間が遅くなります。
しかも、遊漁船は自分一人のペースで動いているわけではありません。ポイントに着けば、船長の合図でみんな一斉にジグを落とします。その時にまだ準備が終わっていなければ、一流し目をほとんど竿を出せないまま終えることもあります。
魚が食う時間は長く続くとは限りません。船長が反応を見つけて船を付けた瞬間だけ食うこともあります。だからこそ、船に乗る前にできることは、できるだけ陸で終わらせておく。これは初心者だけではなく、遊漁船で釣りをするうえで大切な準備だと思います。
タックルが合っているかは、船の上ではなく予約時に聞く
「このタックルで大丈夫ですか?」
これは船長に聞いていい質問です。むしろ、初めてなら聞いた方がいいと思います。ただし、聞くタイミングは船の上ではなく、予約の電話をした時です。
船に乗ってから「このタックルで大丈夫ですか?」と聞いて、もし合っていなかったとしても、その時点ではどうにもできないことがあります。だから予約時に、初めてジギングをすること、持っているロッドやリール、PEラインの号数、必要ならリーダーの号数。このあたりを伝えて相談しておくと安心です。
必ず確認しておきたいのが、使用するジグの重さです。何gを持って行けばいいのかは、釣る場所、水深、潮の速さ、船の流し方によって変わります。
ジグカラーについては、自分の好きな色でいいと思っています。もちろん船長に聞けば、その海域でよく使われる色や、その時に反応が出ている色を教えてくれるかもしれません。でも、最初に優先するならカラーより重さです。必要な重さのジグを持っていない方が、船上では困ります。
予約の電話で確認しておきたいこと
初めての遊漁船なら、予約の電話は単に日程を決めるだけの連絡にしない方がいいと思います。この時点で、初心者であることを伝えておけば、その後の準備がかなり楽になります。
最低でも、
「ジギングは初めてです」
「このタックルを持っています」
「ジグは何gを用意すればいいですか」
この三つは伝えます。もしレンタルが必要なら、その有無もこの時に確認しておけばいいです。
船によって必要なものも違いますし、出船時間や集合場所、駐車場所なども違います。一番困るのは、船に乗ってから「それでは釣りにならない」と分かることです。電話の段階なら、まだ買い足すこともできます。逆に船上では、持っていないものはどうにもできません。だから、初めての人ほど予約の電話を「準備の一部」と考えていいと思います。
それと、ここでの船長の対応も船選びの判断材料になります。初心者だと伝えた時に、面倒そうな対応をされるのか。必要なことを順番に教えてくれるのか。何gを持ってきたらいいか具体的に言ってくれるのか。ホームページの「初心者歓迎」という文字だけでは分からない部分が、この電話で少し見えてきます。
初心者歓迎だけで決めず、まず電話してみる
初めての人ほど、遊漁船選びも大事です。ホームページやSNSに「初心者歓迎」と書かれている船もあります。ただ、それだけでは実際にどんな船長なのかまでは分かりません。
おすすめしたいのは、まず電話してみることです。
「ジギング初めてなんですけど大丈夫ですか?」
これを伝えた時に、丁寧に対応してくれるか。必要なタックルやジグの重さについて教えてくれるか。分からないことを質問した時に、ちゃんと答えてくれるか。こういう部分は、電話でもある程度分かると思います。
初めてなら分からないことがあるのは当たり前です。その時に質問しやすい船長かどうかは、一日釣りをするうえでかなり大きいと思います。
船酔い対策は、酔い止めと睡眠
初めて遊漁船に乗る人が不安になるものの一つが船酔いです。
酔い止めは乗船30分くらい前を目安にするといいと思います。ただし、薬によって服用タイミングは違うので、必ずその製品の用法・用量を優先してください。
それと、前日は十分に睡眠を取った方がいいです。初めての釣行だと、楽しみで興奮して寝られないこともあると思います。その気持ちは分かります(笑)。でも、寝不足で船に乗るのはおすすめしません。ただし、寝過ごしたら元も子もありません(笑)。そこだけは注意してください。
荷物は自分で管理できる範囲で
「初心者は荷物を少なくした方がいいですか?」
これについては、あまり強く言えません。自分自身、ジグをかなり持って行くからです(笑)。荷物そのものはそこまで多くなくても、ジグの量が多いのでとにかく重いです。だから「少なくしましょう」とは言いません。
自分で管理できる範囲ならいいと思います。ただし、船によっては釣り座周りのスペースが少ない場合があります。大きなバッグを何個も持ち込むと邪魔になることもあります。初めて乗る船なら、荷物を置けるスペースがどのくらいあるか分からないこともあるので、自分で扱える範囲にまとめておいた方が安心です。
船長のアナウンスは必ず聞く
遊漁船に乗ったら、船長のアナウンスは必ず聞くようにしてください。これは釣果だけではなく、安全面でも基本です。
船長によっては、水深だけでなく、ベイトの反応が出ている棚や、底から何mくらいまで誘ってほしいかまで細かく教えてくれることがあります。
船長によってアナウンスの仕方や情報量はさまざまです。水深だけを伝える船長もいれば、近いポイントへ流し直す時に毎回は水深を言わない船長もいます。回収の合図も、「上げてー」とだけ伝える船長もいれば、「今誘ってるの終わったら上げてー」と少し余裕を持たせて伝えてくれる船長もいます。
だからこそ、自分が乗った船の船長がどんなアナウンスをするのか、しっかり聞いておくことが大事です。回収の合図を聞き逃していると、自分だけジグを海中へ入れたままになることもあります。移動のために船が動き出す場面なら危険ですし、周囲に迷惑をかけることにもつながります。
船長の指示は絶対です。自分の判断を優先せず、まず船長の指示に合わせてください。
分からないことは船長に聞いていい
初めてなら、船長には基本的に何でも聞いていいと思います。
今は何mくらいまで誘えばいいですか。何gを使えばいいですか。今のポイントは底を取った方がいいですか。分からないことがあれば聞けばいいです。
ただし、さっきも書いた通り「このタックルでいいですか?」だけは予約時に聞いておいた方がいいです。船上で確認するには遅いことがあります。
カラーについては、好きな色でいいと思いますが、聞けば船長なりのアドバイスをしてくれると思います。でも、まず何gかを聞く。これはかなり大事です。
釣り座は勝手に移動しない
遊漁船では、最初に釣り座を決めることが多いです。だから途中で、
「あっちの方が釣れそう」
「こっちの方がやりやすそう」
と思っても、自分の判断で勝手に移動してはいけません。どうしても移動したい場合は、船長に相談してください。
船長は船全体を見ています。潮の流れ、他の人のライン、船の向き、安全面。いろいろなことを考えながら流しています。釣り座の移動も、自分一人だけの問題ではありません。
船上では船長の判断を優先する。これは遊漁船に乗るうえで、最初に覚えておきたい基本です。
左右の人とジグを落とすタイミングを合わせる
遊漁船でジギングをする時は、自分一人だけで釣りをしているわけではありません。左右にも他の人がいます。
まず意識したいのは、左右の人とジグを落とすタイミングを合わせることです。できれば、隣の人が何gのジグを使っているか分かるとなおいいです。
同じタイミングで落としていても、自分だけ極端に軽いジグを使っていれば、潮の影響でラインが流されやすくなります。逆に、自分だけかなり重いジグを使っていても、沈下速度に差が出ます。こうした違いが大きいほど、ライン同士が交差しやすくなり、オマツリの原因になります。
特に潮が速い時や、複雑な潮が入っている時は、ベテラン同士でもオマツリします。完全に防げるものではありません。それでも、左右の人と投入タイミングを合わせ、できるだけジグの重さも大きく外さない。これだけでも、不要なトラブルを減らすためにはかなり有効です。
大きな魚が掛かった時は、自分のやり方でやればいい
もし大きそうな魚が掛かったら、どうすればいいのか。
基本的には、自分のやり方でいいと思います。周囲の人も、明らかに大きそうな魚が掛かったと分かれば、ちゃんと回収してくれることが多いです。船長も必要なら出てきてくれます。
だから、掛かった瞬間に「どうしよう」と考えすぎなくていいです。まず魚とやり取りする。周囲が動いてくれるなら、その流れに任せる。必要なら船長の指示を聞く。これで十分だと思います。
オマツリは起こるもの。気づいたら声を出す
オマツリは気をつけていても起こります。潮が複雑なら、経験のある人同士でも起こります。初めのうちは、オマツリしていること自体になかなか気づかないこともあると思います。
落としている途中で急にラインが止まった。巻いているのに変な重さがある。隣の人のラインと同じ動きをしている。何かおかしいと思ったら、まず周囲を見てください。
そして、自分がオマツリしていると思ったら、慌てず声を出しましょう。
「すいません、まつってるかもしれません」
これで十分です。わざとオマツリする人はいません。普通なら、それだけで怒る人はそうそういません。もちろん人によって反応は違いますけどね(笑)。
船長によっては、状況を見て出てきてほどいてくれることもあります。船長が対応しない場合でも、無理に自分で全部ほどこうとしない方がいいと思います。相手がベテランなら、状況を見てほどいてくれることがあります。その時は任せた方が早いです。
ただし、挨拶は必ず。
「すいません」
「ありがとうございます」
こういう一言は大事です。
周囲を見ることも、大事な情報になる
遊漁船では、船長のアナウンスだけでなく、周囲の釣り人の動きもかなり参考になります。特に慣れないうちは、自分の仕掛けだけを見ていると、船全体で何が起きているのか分からなくなることがあります。
隣の人が急に回収を始めた。みんながジグを重くした。ある人だけ連続して魚を掛けている。こういう変化があれば、何か理由があるかもしれません。
もちろん、何でもそのまま真似すればいいという意味ではありません。でも、船長のアナウンスを聞いたうえで、上手そうな人が実際にどう動いているのかを見ると理解しやすいです。
例えば「底から20mまで」と言われても、ハイピッチで20mを一気に誘う人もいれば、途中で少し間を入れる人もいます。スローピッチなら、同じ20mでもフォールの入れ方が違います。
最初は自分の釣りに集中するだけで精一杯かもしれません。それでも少し余裕が出てきたら、周囲を見る。遊漁船には、同じ海、同じ時間、同じ魚を狙っている人がすぐ横にいます。それ自体が、かなり分かりやすい教材になります。
「上手そうな人の真似」をしてみる
釣れる確率を上げるために、すぐできること。それは、上手そうな人を真似することです。
自分なりのやり方がある人もいると思います。でも、まだ何が正解か分からない時は、まず周囲のベテランを見てみるといいです。
ハイピッチなら、どんなテンポでしゃくっているのか、底から何mくらいまで誘っているのか、どのくらいの速さで巻いているのか。スローピッチなら、ロッドをどのくらい動かしているのか、フォールをどのくらい入れているのか、どのくらい間を取っているのか。
こういう部分を見て真似してみる。最初から自分だけの正解を作ろうとしなくていいと思います。釣れている人や、上手そうな人がやっていることを一度真似してみる。そこから少しずつ、自分に合うやり方を見つければいいです。
一流しごとの時間を無駄にしない
遊漁船のジギングでは、ずっと同じ場所で一日中釣り続けるわけではありません。船長がポイントへ入り、合図でジグを落とし、ある程度流したら回収して、また流し直します。
慣れないうちは、この一回一回の流しを意外と短く感じることがあります。準備に手間取っている間に周囲はもう底を取っている。やっと落とせたと思ったら、すぐ回収の合図が出る。こうなると、船には一日乗っていても、実際に自分のジグが海の中に入っていた時間はかなり短くなります。
だから「釣っている時間を増やす」という言い方をしています。これは焦って雑に釣るという意味ではありません。準備を前倒しする、回収後は次の投入に備える、船長の話を聞いておく、必要なジグをすぐ交換できるようにしておく。そうすることで、釣り以外に使う時間を減らすということです。
上手なしゃくり方を覚えるより先に、この部分を整えた方が魚に出会える回数は増えると思います。
一番大事なのは、ジグを海の中に入れている時間
結局、魚に出会う確率を上げるうえで、一番大事だと思っているのはこれです。
とにかく釣っている時間を増やす。ジグが海の中へ入っている時間を増やす。
準備に手間取っている時間、オマツリをほどいている時間、船長の話を聞き逃して状況が分からなくなっている時間。こうした時間が増えるほど、魚に出会えるチャンスは減ります。魚は、ジグが海の中に入っている時しか食いません。当たり前ですが、本当にこれです。
だから、難しい技術を覚える前に、準備を終わらせる、周囲とタイミングを合わせる、船長の指示を聞く、すぐ落とす、回収したら次の投入に備える。こうした基本動作をスムーズにする方が、釣果にはつながりやすいと思います。
釣れない時間も「何も起きていない時間」ではない
ジギングをしていると、すぐ魚が食ってくるとは限りません。何流ししても当たらないこともあります。初めてだと、「自分のやり方が全部間違っているのでは」と不安になるかもしれません。
でも、釣りは自分の技術だけでは結果が決まらないところも面白さの一つです。相手は魚なので、いつ食うか、どこで反応するかは自分だけでは決められません。
だからこそ、釣れていない時間にもできることがあります。船長の話を聞く、周囲を見る、誘い方を変える、ヒットした人がどのレンジだったのかを見る、次の一投ですぐ試せるように準備する。
何が起こるか分からないのが釣りです。ずっと反応がなくても、次の一投で突然食うことがあります。その一投の時にジグが海に入っていなければ、チャンスにはなりません。だから、釣れていない時ほど淡々と続けることも大事です。
最初の目標は「どんな魚でもいいから魚の顔を見る」
初めてジギングへ行くと、ブリを釣りたい、カンパチを釣りたい、大きい魚を釣りたい。いろいろ目標はあると思います。もちろん、それでいいです。
ただ、最初の一回なら、もっとシンプルでいいと思っています。どんな魚でもいいから、魚の顔を見る。まずはこれ。本命じゃなくてもいいです。サイズが小さくてもいいです。とにかく一匹釣る。これでボウズも回避です(笑)。
一匹釣れれば、魚を掛けて、やり取りして、取り込むまでを一度経験できます。その経験が次につながります。最初から大物だけを目標にすると、釣れなかった時に「今日はダメだった」と感じやすくなります。でも、一匹でも魚の顔を見られれば、そこから覚えられることはあります。
釣行後に振り返るなら「誘い方」と「ヒットレンジ」
一日釣りが終わった後、次につなげるために何を覚えておくか。一番は、どんな誘い方で食ってきたか、そして、どのレンジで食ってきたか。この二つです。
何色のジグだったかも情報にはなります。でも、まず覚えておきたいのは、どう動かした時に食ったのかと、どこで食ったのか。
底から5mだったのか、10mだったのか、中層だったのか。ハイピッチで追わせて食ったのか、フォールで食ったのか、一瞬止めた時に食ったのか。ここが分かれば、次の流しで同じことを試せます。同じパターンが続けば再現できますし、違えばまた変えればいい。
最初は全部覚えようとしなくていいです。まずは「誘い方」と「ヒットレンジ」。この二つだけでも十分です。
まとめ|釣りなんだから、まず楽しみましょう
初めて遊漁船に乗る時は、不安になることがたくさんあると思います。
迷惑をかけたらどうしよう。オマツリしたらどうしよう。自分だけ釣れなかったらどうしよう。船長に何を聞けばいいのか分からない。
でも、行く前から全部を心配しても仕方ありません。何か起きたら、その時に考えればいいです。オマツリしたら声を出して謝る。分からなければ船長に聞く。釣れなければ周囲の上手い人を見て真似する。それでいいと思います。
初めてなのに、最初から全部完璧にできる人はいません。だからこそ、乗船前にできる準備だけはしておく。
タックルはすぐ釣りを始められる状態にする。ジグの重さは予約時に確認する。船長のアナウンスを聞く。左右の人と投入タイミングを合わせる。オマツリしたら慌てず声を出す。釣り座は勝手に移動しない。ベテランの誘い方を真似してみる。
そして、とにかくジグを海の中へ入れている時間を増やす。最初の目標は、どんな魚でもいいから魚の顔を見る。それで十分です。
何より、釣りなんだから楽しみましょう(笑)。迷惑をかけたらとか、釣れなかったらとか、そんなことはそうなった時に考えればいい。せっかく海へ出て釣りをするなら、自分が楽しまなきゃ意味がありません。
準備するところはちゃんと準備する。守るべきルールは守る。そのうえで、あとは思い切り釣りを楽しむ。
初めての遊漁船ジギングが、どんな魚でもいいので一匹の顔を見られる一日になれば、それがまず最高のスタートだと思います。


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