初めてのイカメタルで学んだこと。
71杯の釣果より価値があった「なるほど。」の瞬間
毎年夏になると、私の楽しみは四万十川での鮎の友釣りでした。
そのため、何年も前から誘われていたイカメタルには、一度も行ったことがありませんでした。
しかし、この年は四万十川の鮎の釣果が思うように伸びず、
「今年は一度イカメタルへ行ってみようか。」
そんな流れになりました。
もちろん、イカメタルという釣りには以前から興味がありました。
でも実際に挑戦するのは今回が初めて。
どんなアタリが出るのか。
どんな誘い方をするのか。
何も分からない状態で迎えた一日でした。
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初めての舞台は、想像以上に遠かった。
今回乗船したのは、愛媛県宇和島から出船するイカメタル便です。
ところが、この日はシーズン初期。
まだケンサキイカが十分に接岸しておらず、船長は思い切ってポイントを変更しました。

宇和島を出港し、佐田岬を回り、その先の瀬戸内海側まで船を走らせます。
私はその時、純粋に驚きました。
「イカを釣るために、こんなに走るんだ。」
釣りを始める前から、イカメタルという釣りの奥深さを少し感じた瞬間でもありました。
船は目的地へ向かって走り続けます。
期待と少しの緊張。
そして何より、
「どんな釣りなんだろう。」
そんなワクワクした気持ちでいっぱいでした。
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「20杯釣れたら十分。」
この海域の前日のトップ釣果は約40杯でした。
その数字を聞いた私は、隣にいた後輩へ言いました。
「20杯釣れたら十分やね。」
私たち二人にとって、この日は人生初のイカメタル。
まずは20杯。
それが現実的な目標でした。
この日のチャーター船には12〜13人ほどが乗船していました。
私と後輩以外は、何年もイカメタルを楽しんでいるベテランばかり。
普通なら少し緊張してしまうような状況だったかもしれません。
でも私の気持ちは少し違いました。
不安よりも、
「どんな釣りなのか早くやってみたい。」
そんな期待の方がずっと大きかったのです。
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初めての釣りで、まず私がすること。
初めて挑戦する釣りで、私は最初から自分流を押し通すことはありません。
まずは観察します。
ベテランはどんなテンポで誘っているのか。
何回しゃくるのか。
どれくらい止めているのか。
ロッドはどんな角度なのか。
ラインはどのくらい張っているのか。
一つひとつ見ながら、自分でも同じようにやってみます。
知らない釣りだからこそ、まずは素直に真似をする。
それが私なりの釣りの覚え方です。
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初めての一杯が、すべてを教えてくれた。
周りを見ながら何度も誘い続け、ようやく待望の一杯。
もちろん嬉しかった。
でも、その瞬間に頭へ浮かんだ言葉は、
「やった!」
ではありませんでした。
「なるほど。」
この一言でした。
その一杯を釣った瞬間、それまでバラバラだったすべてが一気につながったのです。
「このアタリ方なのか。」
「だから皆こういう誘いをしていたのか。」
「こういうリズムで釣る釣りなんだ。」
一杯釣れただけで、イカメタルという釣りが急に理解できたような感覚でした。
私は今でも、新しい釣りに挑戦するときは、この瞬間を大切にしています。
その最初の一杯が、その釣りの世界を一気に広げてくれました。
それが釣りの面白さなのだと思います。
「なるほど。」から、自分の釣りへ。
初めての一杯を釣ったことで、イカメタルという釣りのイメージが頭の中で一気につながりました。
そこからは、ただベテランの真似をするだけではありません。
「自分ならどう誘うだろう。」
そんなことを考えながら、少しずつ自分なりの釣りへ変えていきました。
私の基本になった誘いは、とてもシンプルです。
- 2〜3回しゃくる
- テンションフォール
- アタリがなければ止める
- 約10秒待つ
- 反応がなければもう一度誘う
この繰り返しでした。
活性が高い時間帯は、テンションフォール中にラインが止まるような違和感が出ます。
その瞬間に合わせる。
もし反応がなければ、今度はできるだけロッドを動かさず止める。
船は常に揺れています。
それでも余計な動きをできるだけ抑え、船の揺れとは違う小さな変化を待つことを意識しました。
時間が経つにつれ、ヒットレンジも変化していきます。
序盤は20m前後だったアタリも、夜が深まるにつれて10m以内でも釣れるようになりました。
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この日のタックル
初めてのイカメタルということもあり、道具は事前にしっかり準備して臨みました。
今回使用したタックルはこちらです。
ロッド
シマノ セフィアXR メタルスッテ B66ML
リール
シマノ バルケッタプレミアム 150DHXG
(130mmハンドルへカスタム)
PEライン
0.8号
リーダー
エステル3号
仕掛け
シマノ セフィア アシストリーダー ダブルエダス
メタルスッテ
基本は20号を使用し、ヒットレンジが浅くなると15号へ変更しました。
**ドロッパー(枝スッテ)**は、カラーやサイズが重ならないよう組み合わせ、反応がなくなれば積極的にローテーションしました。
その時々の状況に合わせて調整していきました。
もちろん、タックルやカラー選択は大切です。
でも、この日一番強く感じたのは、それだけでは数は伸びないということでした。
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数を伸ばしたのは「小さな違和感」
大型のケンサキイカは、一気に持っていくことがあります。
誰が見ても分かるアタリです。
でも、小さいケンサキイカは違います。
竿先がほんの少しだけ変わる。
ラインがわずかに止まる。
船の揺れとは違う、本当に小さな違和感。
その変化を感じ取れるかどうか。
それが数釣りでは大きな差になると感じました。
途中から船の上では、
「また小さいの釣ってる!」
「こっちはデカいぞ!」
そんな声も聞こえてきます(笑)。
もちろん私も大型のケンサキイカは釣れていました。
でも心の中では、
「小さいイカのアタリを拾えているかどうかの差なんだろうな。」
そう思っていました。
実際、隣で釣っていた後輩も大型はよく釣っていましたが、小型の数は思うように伸びませんでした。
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一緒に来た後輩にも釣ってほしかった。
この日は後輩と並んで釣りをしていました。
私も初心者でしたが、一杯釣って釣り方が分かってからは、気付いたことをその都度伝えるようにしていました。
「今20mくらいで当たったよ。」
「このカラーがいいよ。」
「こんな感じで誘ってみ。」
できるだけ一緒に釣って、一緒に楽しみたかったからです。
時には、
「それ当たり来てる!合わせて!」
本人より先にアタリに気付いて声を掛けることもありました(笑)。
棚も伝えられる。
カラーも伝えられる。
誘い方も伝えられる。
でも最後だけは教えられません。
ほんの少しの違和感を感じ取る感覚。
それだけは、自分自身が経験を積み重ねて身につけるしかないのだと思います。
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気付けば目標は変わっていました。
出船前は「20杯釣れたら十分」。
そう思っていたはずなのに、釣れ続けるうちに気持ちは少しずつ変わっていきました。
「もしかして、船内トップを狙えるんじゃないか。」
Garminのフィッシングモードで、一杯釣るたびに数を記録していきます。
数字は想像以上のペースで増え続けました。
初心者だったはずなのに、気付けば本気で船内トップを狙っている自分がいました。
納竿。そして71杯。
Garminのフィッシングモードで、一杯釣るたびに数を記録していきました。
数字は想像以上のペースで増え続け、初心者だったはずの私は、いつの間にか本気で船内トップを狙っていました。
そして迎えた納竿。
最終釣果は71杯。
船内2位でした。
トップは75杯。
あと4杯。
71杯という数字は十分すぎる結果です。
それでも、あと少し届かなかった悔しさの方が強く残りました。
今思えば、その悔しさこそが、次の釣行へ向かう原動力になっていたのだと思います。
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「また小さいの釣ってる!」
釣っている途中、船の上ではこんな声も聞こえてきました。
「また小さいの釣ってる!」
「こっちはデカいぞ!」
もちろん私も大型のケンサキイカは釣れていました。
でも心の中では、
「小さいイカのアタリを拾えているかどうかの差なんだろうな。」
そう思っていました。
大型は強くアタるので誰でも気付きやすい。
でも、小さいケンサキイカは本当に繊細です。
その小さな違和感を積み重ねることで、一杯、また一杯と数を伸ばしていける。
この日の経験で、それを強く実感しました。
今振り返ると、この感覚は普段楽しんでいるジギングにも通じています。
魚がジグにまとわりつくような、ほんのわずかな違和感。
ラインから伝わる小さな変化。
私は昔から、そんな僅かな変化を感じ取る釣りが好きだったのかもしれません。
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墨も思い出のひとつ(笑)
もちろん、良いことばかりではありません。
ケンサキイカから豪快に墨を顔へかけられました(笑)。
船の上は大笑い。
これもイカメタルならではの洗礼です。
今では、その出来事も含めて忘れられない思い出になっています。
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「イカメタルって、こんなに面白いんだ。」
鮎の友釣りは今でも大好きです。
でも鮎釣りは、一緒に行っても基本的にはそれぞれ離れて釣ります。
イカメタルは違いました。
「何メートルで釣れた?」
「このカラーが良かったよ!」
「今アタった!」
情報を共有しながら、みんなで笑い合い、一緒に楽しめる。
同じ船の上で過ごす時間そのものが、とても楽しかったのです。
この一日で、
「イカメタルって、こんなに面白いんだ。」
そう心から思いました。
そして、このシーズンに予約していたチャーター便には、結局すべて参加しました。
初挑戦の一日で、すっかりイカメタルの魅力に引き込まれてしまったのです。
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家に帰るまでが、私の釣りです。

71杯のケンサキイカを持ち帰り、一杯ずつ丁寧に下処理をしました。
新鮮なケンサキイカは、やっぱり格別です。

この日は、刺身をはじめ、沖漬け、イカの和え物、そして我が家の定番でもある**「ボイルのおかかマヨ一味ポン酢」**を作りました。
これは私の一押しの食べ方で、シンプルな料理ですが、ケンサキイカ本来の甘みを一番感じられるお気に入りの一品です。
家族からも、
「お店で食べるより断然美味しい!」
と言ってもらえるほどで、釣ってきたイカだからこそ味わえる最高のごちそうになりました。
そしてもう一つ、この時期だけの楽しみがあります。
新鮮な小さめのケンサキイカを丸ごと焼く「丸焼き」です。
ワタまで一緒に焼くことで、濃厚な旨味を余すことなく味わえます。
食べると口の中が少し黒くなってしまうので、
「お歯黒になったね(笑)」
なんて家族みんなで笑いながら食べるのも、我が家の夏の楽しみの一つです。
私にとって釣りは、魚やイカを釣り上げた瞬間で終わりではありません。
海で過ごした時間。
仲間と笑い合った時間。
そして、自分で釣った魚やイカを自分で捌き、家族と「美味しいね。」と食卓を囲む時間。
そのすべてが、私にとっての釣りの楽しさなのです。
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おわりに
この日、一番の収穫は71杯という数字ではありません。
「まずは見て学ぶこと。」
「一杯釣れるだけで世界が変わること。」
「小さな違和感が、大きな釣果につながること。」
初めて挑戦したイカメタルは、私にたくさんのことを教えてくれました。
もしこの記事を読んで、
「イカメタルを始めてみたい。」
そう思っている方がいるなら、最初から難しく考える必要はありません。
まずは周りを見て、真似をしてみる。
そして、最初の一杯を釣ってみてください。
きっと、その瞬間に私と同じように、
「なるほど。」
そう思える瞬間が訪れるはずです。
その一杯から、あなただけのイカメタルが始まります。
今でも新しい釣りに挑戦すると、あの日の「なるほど。」を思い出します。
あの最初の一杯は、きっと今の私の釣りにつながる原点の一つなんだと思います。
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🎣 この釣行で学んだこと
- 最初の一杯は、その釣りを理解する最高の先生になる。
- 数を伸ばすには、小さな違和感を見逃さないことが大切。
- 仲間との情報共有は、釣果だけでなく楽しさも何倍にもしてくれる。
- 釣りは海の上だけで終わらない。家族と「美味しいね。」と笑い合う食卓までが、私にとっての釣りです。
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この日の釣行データ
出船港
愛媛県宇和島
釣行エリア
佐田岬〜瀬戸内海側
ターゲット
ケンサキイカ
釣果
71杯
船内順位
2位
船内トップ
75杯
船内平均
40〜50杯前後
乗船人数
12〜13名(チャーター)
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最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
高知オフショア釣行記では、
「実際に釣って、実際に感じたことだけ。」
を大切に発信しています。
次回の釣行記も、ぜひ読みに来てください🎣
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