ジギングを始めたばかりの頃、最初につまずきやすいのが「底取り」だと思います。
ジグを落としていると、ラインはどんどん出ていく。船は流れるし、潮も動く。水深が深くなればなるほど、今ジグがどこにあるのか分からなくなることもあります。
「もう底に着いた?」
「まだ落ちている?」
「このままラインを出していて大丈夫?」
こうなってしまうと、しゃくり方以前の問題になります。
私の感覚では、ジギングはまず底が分からないと釣りになりにくいです。もちろんマグロジギングのように中層を狙う釣りは別ですが、一般的な青物ジギングや根魚狙いでは、底が基準になります。
底が分かれば、そこから何mしゃくるかを考えられます。底が分からなければ、自分が今どのレンジを攻めているのかも曖昧になります。
この記事では、私が実際の遊漁船ジギングでどうやって着底を判断しているのか、底が分からなくなった時にどうするのか、根掛かりを減らすために何を意識しているのかを、できるだけ実体験ベースでまとめます。
難しい理屈を並べるつもりはありません。底取りはかなり感覚的な部分もあります。ただ、その感覚も「何を見ているのか」を言葉にすると、初心者の方でも少し掴みやすくなると思います。数字で全部を説明できるものではありませんが、何を見て、何を感じて判断しているのかは、言葉にできる部分もあります。
- まず覚えたいのは「底が分かる」と「すぐ底を切る」
- 一番分かりやすい着底は、潮が緩くジグが重めの時
- 人差し指サミングは、慣れてから使える応用
- 潮が速く、ジグが軽いと一気に分かりにくくなる
- ラインの出方が一定になった後の「変化」を見る
- 着底したら、スピニングはすぐ一度しゃくる
- ベイトは糸ふけを巻いて、ロッドを立てて底を切る
- 二回目以降は、着底前から予測できる
- 底を見失った時のリセット方法
- 底が分かりにくければ、まずジグを重くする。ただし重さだけでは解決できないこともある
- 硬い岩や荒い底は、ロッドの感触と船長の情報で分かることがある
- 底取りができないと、どのレンジを攻めているか分からない
- 底取りを続けるなら、ライン角度と周囲も見る
- 私なら、最初はスピニングのハイピッチを勧める
- 初心者への教え方
- 最初から全部できなくていい
- まとめ|底が分かれば、ジギングは一気にやりやすくなる
まず覚えたいのは「底が分かる」と「すぐ底を切る」
初心者の方に最初に覚えてほしいことを一つだけ挙げるなら、私は「底が分かること」だと思います。そして、もう一つ。着底したら、もたつかずにすぐ底を切ること。
この二つができれば、ひとまず普通にジギングを続けられる状態にはなります。最初からライン角度を完璧に見たり、底質を判断したり、潮の変化を細かく読む必要はありません。着底を感じる。すぐ底を切る。まずはこれで十分です。
逆に、着底に気付いているのにそのまま底に置いている時間が長いと、私は「引っかかるよ」と思います。特に根の荒いポイントでは、着底した瞬間から根掛かりのリスクがあります。
私は根掛かり自体はかなり少ない方だと思います。もちろん、大事なジグを無くしたことはありますし、絶対に根掛かりしないわけではありません。ただ、着底後にできるだけ早く底を切ることを意識しているだけでも、根掛かりの確率はかなり下げられると感じています。
一番分かりやすい着底は、潮が緩くジグが重めの時
着底が一番分かりやすい状況は、潮が緩めで、使っているジグにある程度の重さがある時です。この条件なら、スピニングでもベイトでも着底はかなりはっきり分かります。
スピニングの場合
スピニングでは、私は軽くサミングしながらジグを落とします。潮が緩く、ジグがしっかり重い時は、ラインが一定のペースで出ていきます。そして着底すると、そのラインが急に止まります。同時にロッドにも「着いた」という反応が返ってきます。この時はかなり分かりやすいです。
ジグが少し軽くなっても、潮が緩ければ基本的な見え方は同じです。ただし、ロッドに返ってくる着底の反応は少し小さくなります。
ベイトの場合
ベイトも基本は同じですが、スプールが回転しているぶん、私はスプールの回り方も見ています。親指、または人差し指で軽くサミングしながら落とします。
着底するとスプールの回転が止まり、少し糸ふけが出ます。同時にロッドにも着底の反応が出ます。ベイトはバックラッシュさせないように落とす必要があるので、初心者のうちは親指でサミングする方がやりやすいと思います。私は慣れてから、人差し指でサミングすることが多くなりました。
人差し指サミングは、慣れてから使える応用
これは初心者向けの基本ではありませんが、私自身はベイトで落とす時に人差し指をよく使います。単純に、慣れるとかなり使いやすいです。それと、ちょっとカッコいいです(笑)。
人差し指サミングに慣れると、フォール中に親指を使わなくなります。さらに大型魚とのファイトでも応用できます。通常、魚の強いツッコミに耐える時に指ドラグを使うなら、親指でスプールを抑えることが多いと思います。そこに人差し指も使えるようになると、ドラグ+親指+人差し指という、私の中では「3ドラグシステム」になります(笑)。
もちろん、これはあくまで慣れてからの話です。最初から人差し指でサミングしようとすると、かえってやりにくいと思います。初心者の方はまず、バックラッシュさせずに落とすことと、着底を見逃さないことを優先すれば十分です。
潮が速く、ジグが軽いと一気に分かりにくくなる
底取りが難しくなる代表的な状況は、潮が速い時です。そこにジグの重さ不足が重なると、かなり分かりにくくなります。
着底しているのに、その変化に気付けないことがあります。気付かずそのままラインを出し続けると、ラインは永遠に出ていくように見えます。実際にはジグが底に着いているのに、船が流れたり潮に押されたりしてラインだけが出続ける状態です。そして、気付いた時にはほぼ根掛かりしていることもあります。
スピニングの場合は、軽くサミングしていると「さっきまでと少しラインの出方が違う」と感じることがあります。ベイトの場合は、スプールの回転そのものを見たり触ったりしていないと、分かりにくいことがあります。だから私は、ベイトではフォール中に指をスプールへ当てています。
ラインの出方が一定になった後の「変化」を見る
底取りが分からない人に伝えるなら、ラインの出方をずっと見るのも一つの方法だと思います。
よほど複雑な潮でなければ、ジグがある程度落ちた後は、ラインの出方がだいたい一定になってきます。その一定だった出方が変わる。急に止まる。少し出にくくなる。糸ふけが出る。その変化が着底のヒントになります。
最初から「今のが着底」と完璧に分からなくても、一定だったものが変わった瞬間を見るだけでも違います。着底は「強い感触が必ずロッドに出る」と思わない方がいいです。潮が速い時やジグが軽い時は、ロッドへの反応がかなり小さくなることもあります。ラインやスプールの変化も含めて見る方が分かりやすいです。
着底したら、スピニングはすぐ一度しゃくる
スピニングでは、私は着底したらすぐ一度しゃくって底を切ります。スピニングは私の感覚では、ベイトより着底が分かりやすいことが多いです。
糸ふけもベイトほど多く出ないので、着底を感じたら、そのまますぐ一発しゃくって底から離します。特に根の荒いポイントでは、この最初の一動作が大事だと思っています。底に置いている時間をできるだけ短くする。それだけで根掛かりのリスクはかなり変わります。
ベイトは糸ふけを巻いて、ロッドを立てて底を切る
ベイトはスプールが回転しながらフォールしているため、着底時にスピニングより少し糸ふけが多く出ることがあります。そのため私は、着底したらすぐ糸ふけを巻き取ります。そしてロッドを立てて底を切ります。
ここでも大事なのは、着底後にのんびりしないことです。初心者の方が最初から一連の動作を素早くできるとは限りません。それは普通だと思います。ただ、着底が分かった→すぐ巻く→底を切る、という流れを意識しておけば、少しずつ動作は早くなります。
底取りという言葉だけを見ると、スピニングでもベイトでも同じことをしているように見えます。でも、最終的に知りたいのは同じです。「ジグが底に着いたかどうか」。ただ、私が見ている場所は少し違います。スピニングではラインの出方の変化を中心に見て、ベイトではスプールの回転と糸ふけも合わせて見る。この違いが分かってくると、どちらのタックルでも底取りはかなり楽になってきます。
二回目以降は、着底前から予測できる
最初の一投目より、二回目以降の着底の方が分かりやすいと私は感じます。理由は単純で、自分がどれくらいしゃくったか分かっているからです。
例えば、底からある程度しゃくって再び落とす場合、「さっきこれくらい上げたから、そろそろ着くな」と予測できます。
ジギング用のリールには、カウンターが付いていないことが多いです。そのためPEラインも、一色だけではなく5カラーを使います。色の変化やラインマーカーを見れば、何mくらい出ているか、どれくらい戻したかをある程度予測できます。
こうした情報を組み合わせることで、着底してから初めて気付くのではなく、着底する少し前から「そろそろ底だな」と注意を向けられるようになります。この予測があるだけでも、二回目以降の着底はかなり見逃しにくくなります。
底を見失った時のリセット方法
ジギングをしていると、「今、底に着いたのか?」「まだ落ちているのか?」が分からなくなることがあります。この時に一番やってほしくないのは、そのまま何となくラインを出し続けることです。
分からなくなったら、一旦巻きます。少し巻いて、ロッドでジグの重さを確かめます。「ジグがここにある」と感じられたら、そこからもう一度落とします。そして、ラインがすぐ止まれば、さっきはもう底に着いていた可能性が高いです。
それでも着底が分からないなら、ジグが軽すぎるか、潮が速すぎる可能性があります。原因をその場で完全に特定できなくてもかまいません。大事なのは、分からないまま何となく続けるのではなく、一度リセットして状況を確かめ直すことです。
底が分かりにくければ、まずジグを重くする。ただし重さだけでは解決できないこともある
底取りが怪しい時に、私が一番先に考えるのはジグを重くすることです。普通のジギングであれば、船長が操船して船が流れすぎないようにしてくれていることも多いので、ある程度はジグの重さで対応できます。軽すぎて底が分からないなら、重くする。これはかなりシンプルです。
ただし、重くすれば何でも解決するわけではありません。潮が速すぎる時は、いくらジグを重くしても限界があります。また、ドテラ流しのジギングで風が強すぎると、船自体がかなり速く流されます。こうなると、ジグだけを重くしてもどうにもならないことがあります。普通のジギングなら船長の操船である程度船の流れを抑えられることがありますが、ドテラ流しではその前提が違います。
自然相手なので、全部を道具だけで解決できるわけではありません。「重くすれば必ず底が取れる」と考えない方がいいと思います。
底が分からない状態のまま釣り続ける方が、根掛かりやオマツリにつながりやすく、結果的に釣りがしにくくなります。もちろん、必要以上に重くするという意味ではありません。大事なのは、その日の潮や水深で自分が底を確認できることです。
これは前回の記事「遊漁船ジギングのジグは何g?」とも重なる話ですが、今回はあくまで、底を取るために重量変更をどう使うかという視点です。今日はこの重さで分かる。でも潮が速くなれば分からなくなるので、重くする。逆に潮が緩めば、少し軽くしても底が取れるかもしれません。その時の海に合わせて変える。それだけのシンプルな話です。
硬い岩や荒い底は、ロッドの感触と船長の情報で分かることがある
慣れてくると、着底した時のロッドへの反応から、下が硬い岩なのか、荒い底なのか、ある程度分かることがあります。ただ、これは初心者には難しいと思います。最初から底質まで見分けようとしなくて大丈夫です。
船長によっては、「ここ下荒いよ」「根掛かりしやすいポイントだよ」「この辺は気をつけて」と教えてくれることがあります。こういう一言があるだけで、こちらの心構えはかなり変わります。特に初心者のうちは、ロッドに返ってくる感触だけで底質まで判断するのは難しいので、こうした船長の情報は素直に使った方が確実です。根掛かりしやすいと分かっていれば、着底後いつも以上に早く底を切る。それだけでもかなり違います。
ジギングは自分でしゃくって魚を掛ける釣りですが、遊漁船では船長の操船やポイント選び、情報も釣りの一部です。分からないことを聞けるなら、聞いた方が早いと思います。
底取りができないと、どのレンジを攻めているか分からない
底取りは根掛かりを防ぐためだけではありません。魚を狙うためにも必要です。
例えば、船長からレンジの指示がない時。私なら、水深100mくらいのポイントであれば、状況にもよりますが底から30m程度は誘います。根魚ポイントなら、底から10mくらいを意識することがあります。
ここで重要なのは、「底から何m」という考え方です。底が分からなければ、そもそも基準となる0mがありません。底を基準にして初めて、10m、20m、30mと狙うレンジを組み立てられます。
もちろん、これは私自身の実釣での一例であり、どんなポイントにも当てはまる正解ではありません。それでも、底という基準がなければ、この「10m、20m、30m」という考え方自体が成立しません。だから私は、一般的なジギングでは底取りがかなり重要だと思っています。
底取りを続けるなら、ライン角度と周囲も見る
着底してしゃくり、再び落とす。これを何回繰り返すか、私は「3回落としたら回収」など回数では決めていません。見るのはラインの角度です。
船が流れれば、落とすたびにラインの角度がついていきます。角度がつきすぎると、そもそもジギングがやりにくくなります。そこまで来たら回収します。自分が「やりにくい」と思ったら回収する。かなり感覚的です。
回収を決める時は、自分のラインだけを見ているわけではありません。乗合船では、周りにも釣り人がいます。何回も落とし直していると、ライン同士が交差する可能性が高くなります。自分のジグはまだ動かせそうでも、「このままやると周りと交差しそうだな」と思ったら回収します。オマツリすると、自分だけでなく相手の釣りも止めてしまいます。底取りや再フォールを繰り返す時ほど、周囲を見ることも大事です。
私なら、最初はスピニングのハイピッチを勧める
これは完全に私個人の意見ですが、最初に始めるならスピニングのハイピッチジギングを勧めます。初心者には疲れるかもしれません。筋トレみたいなものです(笑)。
それでも、ハイピッチでしゃくっている時に魚が食った瞬間の「ドンッ」という衝撃は、なかなか他の釣りでは味わえません。私は、ベイトのスローピッチはスピニングのハイピッチより難しいと感じるので、自分ならまずジギングそのものに慣れてから始めてもらいます。
ただし、これはあくまで私の考えです。最初からスローピッチを始めても問題ありません。「初心者は絶対ハイピッチから」という話ではありません。
初心者への教え方
もし初めてジギングをする人と一緒に乗るなら、私はいきなり細かい理屈をたくさん説明しません。まず自分と同じ重さのジグを使ってもらいます。同じ状況で自分は底が取れているので、相手にも「今、底分かった?」と確認しやすいからです。
底が分かったら、着底後すぐ底を切る、数回しゃくる、また落とす。この繰り返しでいいと思います。その間に基本的なアクションを大体教えて、合間に自分のしゃくり方も見てもらいます。全部を言葉だけで説明するより、実際にしゃくっているところを見てもらう方が分かりやすい部分もあります。最初は真似でいいです。
ある程度できるようになってから、自分なりのしゃくり方や釣り方を試してもらえばいいと思います。ジギングは感覚の部分がかなりあるので、最初から自分だけの正解を作ろうとするより、まず普通に釣りが成立する動きを覚える方が早いと思います。
最初から全部できなくていい
底取りについて書くと、いろいろ確認することが多く見えるかもしれません。ラインの変化。ロッドの反応。スプールの回転。5カラーPE。ライン角度。周囲のライン。底質。潮の速さ。
でも、初心者が最初から全部できる必要はありません。私が思う最初の合格ラインは、本当にシンプルです。
底が分かる。もたつかず底を切れる。
これだけです。そこから釣りを続けていけば、「そろそろ底だな」「今日は潮が速いな」「この角度はそろそろ回収だな」「ここは底が硬いな」と少しずつ分かることが増えてきます。感覚的なことは、言葉で全部覚えるより、実際に落として、しゃくって、繰り返した方が早いです。
まとめ|底が分かれば、ジギングは一気にやりやすくなる
ジギングの底取りは、最初は難しく感じるかもしれません。でも、初心者のうちから全部を判断できる必要はありません。
まず意識したいのは、ラインの出方の変化を見ること。着底が分かったら、もたつかずすぐ底を切ること。分からなくなったら一度巻いてジグの重さを確かめ、もう一度落としてみることです。
底が取れるようになると、根掛かりを減らしやすくなるだけでなく、「底から何mを狙うか」というレンジの基準も作れるようになります。
まずは、着底を見逃さず、もたつかず底を切ることを意識できれば十分だと思います。あとは実際に落として、しゃくって、繰り返しながら少しずつ感覚を増やしていけばいいです。
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