- はじめに|ドラグは「何kg」が正解とは限らない
- 1|私のドラグ設定は、まずラインを引っ張るところから
- 2|初心者ほど、一度「力」を体で覚えた方が分かりやすい
- 3|ベイトとスピニングでは、私は少し考え方を変えている
- 4|根ズレの心配がなければ、私は基本的に走らせる
- 5|魚が浮いてきたら、私は逆にドラグを緩める
- 6|ドラグを締めすぎて、カジキに切られた経験
- 7|その失敗が、次のカジキにつながった
- 8|ドラグは「強いほど安心」ではない
- 9|ドラグノブを触るより、指ドラグとスプール押さえを使う理由
- 10|「ラインが出る=負け」ではない
- 11|初心者に一つだけ伝えるなら「根がなければ走らせる」
- 12|数字を知りたいなら、安全に一度測ってみる
- 13|私自身、まだ「感覚」で釣っている
- まとめ|ドラグは「何kg」より、いつ出して、いつ止めるか
はじめに|ドラグは「何kg」が正解とは限らない
ジギングを始めたばかりの頃、ドラグ設定はかなり分かりにくいと思う。
PE3号なら何kg。カンパチなら何kg。キハダなら何kg。
そんなふうに数字で答えが出れば分かりやすい。
もちろん、ドラグ値を数字で把握すること自体は悪くないし、専用のドラグチェッカーを使って確認する方法もある。ただ、私自身は普段の釣行で毎回ドラグチェッカーを使って「今日は何kg」と正確に測っているわけではない。
実際には、自分でラインを引っ張った時の感覚を基準にしている。
だからこの記事では、「ジギングのドラグは何kgが正解か」という話よりも、私が実際の釣行でどんなふうにドラグを決め、魚が掛かってからどう使っているのかを書いてみたい。
先に結論を言えば、私が一番大事にしているのは、
「根ズレの心配がなければ、基本は走らせる」
ということ。
逆に、根や障害物が近くて走らせたくない場面では、ベイトなら指ドラグ、スピニングならスプールを押さえて、一時的に負荷を足す。そして魚が浮いてきたら、私はむしろドラグを緩める。魚が見えたら、さらに少し緩める。
ドラグは最初に決めて終わりではなく、魚の位置、走り方、根の有無、終盤の突っ込みまで含めて使うものだと思っている。
この記事は、あくまで私が実釣で身につけてきた考え方だ。タックル、ライン、リーダー、ノット、フック、対象魚、根の荒さ、船の流れ方などによって条件は変わる。
だから「この設定が正解」と断定するつもりはない。
むしろ、初心者の人には「数字だけ覚えるより、自分のタックルでラインを引いた時の感覚を一度覚えてほしい」というのが、私が一番伝えたいことかもしれない。
1|私のドラグ設定は、まずラインを引っ張るところから
私がベイトタックルでドラグを合わせる時は、自分でラインを引っ張って調整する。
かなり感覚的だ。
「今日はこれくらいかな」
そんな感じで決めている。
言葉にすると適当に聞こえるかもしれないけど、完全に何も考えていないわけではない。
私の中では、PE本線だけの強度を見ているわけではない。
PEとリーダーのノット。リーダーとリング、あるいはスナップへの結束。フックやリング周り。
魚と直接つながっているシステム全体を見ている感覚に近い。
たとえばノットを締め込む時。私はかなり強く引っ張って締め込む。その時点で切れるようなら、そのノットはやり直す。
もちろん、ノットを締め込む時の力と、魚とのファイトで掛かる力は単純に同じではない。それでも、自分が普段使っているPE、リーダー、ノットの強さを手で知っていることは、ドラグを決める時の一つの基準になっている。
そこにリングやスナップへの結束部の強度も加えて、
「このくらいでラインが出れば大丈夫」
という感覚で初期ドラグを合わせる。
私自身、PE3号なら何kg、PE4号なら何kgと毎回計測しているわけではない。以前、感覚的な数字を考えたことはある。ただ、それはドラグチェッカーで毎回実測した数値ではないので、この記事では推奨値としては出さない。
ここはかなり重要だと思う。
感覚で使っている本人が、測っていない数字を「これが正解」と書くのは違う。
だから私は、数字よりも「どんな状態でラインが出るようにしているか」という考え方を伝えたい。
2|初心者ほど、一度「力」を体で覚えた方が分かりやすい
もし初心者と一緒に釣りへ行くなら、私は最初にその人のドラグを合わせてあげると思う。そして、その状態で実際にラインを引っ張ってもらう。
「これくらいの力で出る」
という感覚を手で覚えてもらう。
これが一番早い。
数字で「○kgです」と言われても、その負荷が手でどれくらいなのか分からなければ、実際の釣りでは使いにくい。
逆に、一度でも実際にラインを引いて、
「このくらいか」
と体で覚えておけば、次から自分でも調整しやすくなる。
数字の感覚も知りたいなら、自宅でドラグチェッカーや魚用のデジタルスケールを使って負荷感を確認する方法もある。私もたまに確認している。
ただし、ここで一番大事なのは「何kgだったか」を暗記することではなく、その時のラインの出方を手で覚えることだ。
具体的な確認方法と注意点は、後半で改めて触れる。
3|ベイトとスピニングでは、私は少し考え方を変えている
基本的な考え方はベイトもスピニングも同じ。ただ、私はスピニングの方を少し緩めに設定することが多い。
理由は単純で、スピニングはファイト中にスプールを手で押さえやすいから。
根が近い。今だけ少し止めたい。もう少しだけ負荷を掛けたい。
そんな時に、スプールを押さえて一時的にドラグを強くする感覚で対応しやすい。
一方、ベイトでは指ドラグを使う。
こちらも同じで、最初に設定したドラグを途中で締め込むのではなく、必要な瞬間だけ指で負荷を足す。
私はファイト中にドラグノブを頻繁に締めることはあまりない。最初に決めたドラグを基本にして、必要な時だけ手で負荷を足す。この使い方が自分には合っている。
4|根ズレの心配がなければ、私は基本的に走らせる
魚が掛かってドラグが出る。
初心者の頃は、ドラグ音が鳴ってラインがどんどん出ていくと不安になると思う。もちろん私でも、ラインがずっと出続ければ心配になる。
「大丈夫かこれ」
とは思う。
でも、根ズレの心配がない状況なら、私は基本的には無理に止めない。
走る魚は走らせる。
その方がラインや結束部に突然大きな負荷を掛けにくいし、魚の勢いをドラグで受け流せる。
ただし、何でも走らせればいいわけではない。
根が近い。瀬がある。魚が根へ向かっている。
そういう時は話が変わる。
根に入られれば、ラインそのものの強度とは別の問題になる。根ズレで切られるからだ。
私はロックショアで、根ズレによって切られた経験がある。かなりドラグを締めていた。それでも魚が大きすぎて、止めきれずに根へ行かれた。
あの魚が何だったのか、どれほど大きかったのかは分からない。だから「このドラグなら止められた」といった話にはできない。
ただ、根のある場所では「走らせる」という選択肢をいつまでも取れないことは、実体験として分かっている。
そのため、根が近い場面ではベイトなら指ドラグ、スピニングならスプールを押さえて追加の負荷を掛ける。
ここで大事なのは、ずっと強くするのではなく、
「必要な瞬間だけ」
ということ。
魚が根から離れれば、また元のドラグに戻す。
私はその方がやりやすい。
5|魚が浮いてきたら、私は逆にドラグを緩める
魚とのファイトで意外と怖いのが、終盤だと思う。
魚が浮いてくる。姿が見えてくる。あと少し。
ここまで来ると、「早く上げたい」という気持ちが強くなる。
でも私は、大きい魚ほどここでドラグを緩める。
魚が浮いてきて根ズレの心配がなくなったら、最初のような強いドラグを維持する必要がない。むしろ、口切れや身切れを少しでも減らしたい。
魚が見えたら、さらに少し緩める。
大型魚は、船を見た瞬間や水面近くで急にもう一度走ることがある。いわゆる最後の突っ込みだ。
ここでドラグが強すぎると、それまで耐えていたライン、ノット、フック、魚の口元に一気に負荷が掛かる。
だから私は、終盤ほど余裕を作る。
もちろん、緩めすぎてフックが外れたり、魚に好き放題走られたりしてもダメ。この辺りも結局は感覚になる。
ただ、「魚が浮いてきたら締める」のではなく、「安全に浮いてきたら少し緩める」というのが私のやり方だ。
6|ドラグを締めすぎて、カジキに切られた経験
私は一度、カジキを掛けてラインを切られたことがある。
その時、掛けた瞬間には何の魚か分からなかった。
ただ、
「デカい」
それくらいしか分からない。
魚が走り、やがてジャンプした。そこで初めて、
「カジキだ」
と分かった。
でも、初めてのことだった。
カジキと分かっても、すぐにドラグを緩めるところまで反応できなかった。そして、3回目のジャンプで引きちぎられた。
あの時はドラグをかなり締めていた。ジャンプによってラインに急激な負荷が掛かり、それに対応できなかった。
もちろん、カジキは掛かり方、フックの位置、走る方向、ジャンプの仕方など、運に左右される部分がかなり大きいと思う。
だから、あの一回だけで「ドラグをこうすれば絶対に獲れる」とは言えない。
でも私の中では、
「大きい魚を力で止めればいいわけではない」
という経験として強く残った。
7|その失敗が、次のカジキにつながった
その後、また大きな魚を掛けた。
今回も、掛けた瞬間には魚種は分からない。
大きい。
ただそれだけ。
そして魚がジャンプした。
その瞬間、
「カジキ!」
と分かった。
前回の経験が頭にあった。今回はすぐにドラグを緩めた。
そこからファイトを続け、最終的には釣り上げることができた。
1時間45分のファイトになった。
私にとって忘れられない一匹だ。
ただし、ここでも「ドラグを緩めたから釣れた」と単純には言いたくない。
カジキは本当にいろいろな要素に左右される。運も大きい。
それでも、一度目の失敗があったからこそ、二度目はジャンプを見た瞬間に反応できた。
その違いは、自分の中では大きかった。
ドラグは数値だけではなく、魚の動きを見て変えるもの。それを一番強く実感した経験の一つだ。
8|ドラグは「強いほど安心」ではない
強い魚を狙うなら、ドラグも強くしたくなる。
「止めないと」
という気持ちは当然出てくる。私もそうだ。
でも、ドラグを強くするほど安心というわけではない。
強くすれば魚に主導権を渡しにくくなる一方で、ライン、ノット、結束部、フック、魚の口元には強い負荷が掛かる。
逆に緩すぎれば、必要以上に走られて根に入られたり、ファイトが長くなったりする。
だから私は、その間を探している。
しかも、その「ちょうどいい」は毎回同じではない。
カンパチを狙う時と、さらに大型の魚を狙う時でも、初期ドラグの感覚は変える。
ただし、私は毎回ドラグチェッカーで数値を測っているわけではないので、
「PE3号なら何kg」「PE4号なら何kg」
と固定しているわけではない。
その日のタックル、狙い、ポイント、ラインシステムを見て、
「今日はこのくらい」
と決める。
大型魚用の強いタックルでは、手で強く引いても簡単にはラインが出ないくらいにすることもある。
一方、カンパチではそこまで強くしない。
同じPE号数でも製品は違うし、リーダーやノット、フックも違う。
それを全部無視して、数字だけでドラグを決めるのは私は怖いと思っている。
だからこそ、数字は参考にしつつ、最終的には自分のタックルでラインを引いた時の感覚を覚えていく。
それが私の基本だ。
9|ドラグノブを触るより、指ドラグとスプール押さえを使う理由
ファイト中、私はあまりドラグノブを締めない。
その理由の一つは、戻しにくいから。
魚が根へ向かう。そこでドラグを締める。根をかわした。今度は緩めたい。
そのたびにノブを回していると、自分が最初に決めた基準が分からなくなりやすい。
だから私は、基本設定を残したまま手で負荷を追加する。
ベイトなら指ドラグ。
スピニングならスプールを押さえる。
必要な瞬間だけ追加。必要がなくなれば手を離す。
これなら元のドラグへすぐ戻れる。
もちろん、リールによって操作感は違うし、手で押さえる行為にも慣れは必要だと思う。
特に強い魚とのファイトでは、指を巻き込んだり、急な走りに対応できなかったりする危険もある。
初心者がいきなり高負荷でやるのではなく、まずは自分のタックルで安全な範囲から感覚を覚える方がいい。
10|「ラインが出る=負け」ではない
強い魚にラインを出されると、負けているような気分になる。
でも私は、根のない場所ならそうは考えていない。
ドラグが仕事をしている。
そう思っている。
ラインが出ることで急激な負荷を逃がしている。
魚が止まれば巻く。また走れば出す。その繰り返し。
もちろん、出され続けると不安にはなる。
ライン残量もある。船の状況もある。他の釣り人とのオマツリもある。
だから無限に走らせられるわけではない。
でも、「出たからすぐ締める」という反応は、私はしない。
まず根があるか。魚がどこへ向かっているか。ライン残量は大丈夫か。
そこを見る。
止める必要がなければ、走らせる。
私の基本はそれだ。
11|初心者に一つだけ伝えるなら「根がなければ走らせる」
もし初心者にドラグについて一つだけ伝えるなら、
「根ズレの心配がなければ、基本は走らせる」
と言うと思う。
ただし、これは「ドラグを緩くしておけばいい」という意味ではない。
緩すぎるのもダメ。
最初にある程度の負荷を掛けられる状態にして、そのうえで魚が走った時にはドラグを使って逃がす。
根が近いなら止める。浮いてきたら緩める。魚が見えたら、最後の突っ込みに備える。
その一連の流れを覚えてほしい。
教え方については前にも書いた通り、まずは経験者が合わせたドラグを実際に引いて、その負荷を体で覚えるのが分かりやすいと思う。
そこから自分のタックルで経験を積み、数字はその感覚を補うための目安として使えばいい。
12|数字を知りたいなら、安全に一度測ってみる
感覚の話ばかりでは、どうしても分かりにくい人もいると思う。
そんな時は、自宅で一度測ってみればいい。
ドラグチェッカーがあれば一番分かりやすい。
なくても、魚の重さを測るデジタルスケールなどがあれば、ある程度の負荷感を確認できる。
「この力でこれくらい」
と一度体験すると、かなり分かりやすい。
私もたまに確認する。
ただし、その数値をそのまま海で絶対値として使う必要はないと思う。
実際の釣りではロッドが曲がり、ラインの角度が変わり、船も動く。魚も動く。水圧や潮の影響もある。
自宅で測った数字は、あくまで「手で引いた時の感覚を覚えるための目安」。
それくらいに考えた方がいい。
そして高負荷を掛ける時は、安全第一。
ラインを素手に巻き付けたり、顔の近くで金具を引っ張ったりしない。
結束部が抜けたり切れたりした時に何が飛んでくるか分からない。
ドラグ設定より先に、そこは気をつけたい。
13|私自身、まだ「感覚」で釣っている
ここまで書いておいて何だけど、私自身、ドラグを完全に数値管理しているわけではない。
結局、
「今日はこのくらい」
で合わせている。
でも、その感覚は急にできたものではない。
ノットを組む。締め込む。ラインを引く。魚を掛ける。走られる。根に入られる。切られる。浮かせる。最後の突っ込みを受ける。
そういう経験の積み重ねで、少しずつできてきたものだと思う。
一度カジキに切られたから、次はジャンプした瞬間に反応できた。
根ズレで切られた経験があるから、根の近くでは「走らせればいい」だけではないと分かっている。
終盤の口切れや身切れ、最後の突っ込みを警戒して、魚が浮いてきたら緩める。
そういう経験全部が、自分のドラグ設定になっている。
まとめ|ドラグは「何kg」より、いつ出して、いつ止めるか
ジギングのドラグ設定について聞かれると、どうしても「何kg?」という話になりやすい。
でも私自身は、普段そこまで数字で管理していない。
自分でラインを引っ張って、
「今日はこのくらい」
と決める。
その感覚の中には、PE本線だけではなく、ノット、リーダー、リングやスナップへの結束まで含めたシステム全体の強さがある。
魚が掛かった後は、根ズレの心配がなければ基本は走らせる。
根が近ければ、ベイトなら指ドラグ、スピニングならスプールを押さえて必要な瞬間だけ負荷を足す。
魚が浮いて根ズレの心配がなくなれば、逆にドラグを緩める。
魚が見えたら、最後の突っ込みに備えてさらに余裕を作る。
私にとってドラグは、最初に設定して終わるものではない。
ファイト中ずっと使うものだ。
一度、ドラグを締めすぎたままカジキのジャンプに対応できず、ラインを切られた。
その失敗があったから、次のカジキではジャンプした瞬間にドラグを緩めることができた。
もちろん、カジキは運にも左右される。
だから、このやり方なら必ず獲れるとは言えない。
それでも、失敗から次の判断が変わったのは事実だ。
初心者の人には、最初から完璧な数値を覚えなくてもいいと思う。
もし経験者と一緒に行けるなら、まずドラグを合わせてもらい、その状態でラインを引っ張ってみる。
自宅なら、安全に注意しながらドラグチェッカーや魚用スケールで負荷感を確認する。
「これくらいでラインが出る」
その感覚を一度覚える。
そこから自分のタックル、自分の釣り、自分の経験に合わせて少しずつ調整していけばいい。
私が一番伝えたいのは、やっぱりこれだ。
根ズレの心配がなければ、基本は走らせる。
止める必要がある時だけ止める。
そして安全に浮いてきたら、今度は無理をしない。
ドラグ設定に絶対の正解はないと思う。
でも、自分のタックルと魚の動きを見ながら使えるようになると、ファイトは確実に変わってくる。
それが、私が実釣の中で覚えてきたドラグの考え方だ。



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