四万十川上流域で自己記録29.5cmの鮎|尺だと思った激流の一匹
2023年9月26日。
この日は、四万十川上流域へ鮎の友釣りに出かけた。
鮎シーズンも終盤に入り、大きく育った鮎を狙える時期。自分の中では、これまでに釣った28cmが最高記録だった。
それを超える一匹に出会えたら。
そんな期待を持ちながら、早朝から川へ向かった。
場所を確保するため、早朝から川へ

友釣りは、釣り場選びが結果を大きく左右する。人気のある場所では、入りたいポイントへ必ず入れるとは限らない。
そのため、この日は場所を確保することも考えて、早い時間から川へ入った。
まずは川を上流方向へ歩き、そこから少しずつ下流へ戻りながら釣っていく。四万十川上流域の澄んだ流れを見ながら、その日の鮎の反応を探していった。
使った竿は、知人から譲ってもらった、がまかつの9m。すでに廃番となっている古いモデルだが、今も大切に使っている。
仕掛けは、普段から使っているシマノの完全仕掛け。
ハリなどの細かい仕様までは覚えていないが、決して太い仕掛けではなかった。だからこそ、大きな鮎が掛かったときには、無理をせず慎重にやり取りする必要があった。
激流のど真ん中へ、元気なオトリを送り込む
自己記録となる一匹が掛かったのは、時間としては昼頃だったと思う。
狙ったのは、強い瀬のど真ん中。
流れの緩い場所ではなく、しっかりと水が押している激流だった。そこへ、元気いっぱいのオトリ鮎を送り込んだ。
すると、ほとんど間を置かず、
「ガツガツ」
という強い反応が伝わってきた。
掛かった瞬間から、普通のサイズではないと分かった。
鮎は下流へ流されるのではなく、激流に逆らって上流へ走っていった。竿に伝わる力も、明らかに別物だった。
それでも、仕掛けが細いため、力任せに止めることはできない。
自分が立っていた場所も、自由に動き回れるような場所ではなかった。無理に追いかけるのではなく、その場で竿をしっかり曲げ、鮎の動きに耐える。
数十秒という短い勝負ではない。
体感としては、それよりもずっと長く感じるやり取りだった。
持ち上げられない。網で慎重に取り込む
鮎は明らかに大きかった。
普通の鮎のように、そのまま抜き上げることはできない。最後は網を使い、慎重に取り込んだ。
網の中へ収まった魚体を見た瞬間、

「これは尺あるやろ」
と思った。
これまでの自己記録は28cm。その鮎と比べても、今回の一匹は明らかに大きく見えた。
長さだけではなく、体高もあり、魚体全体に迫力があった。
鮎ベストには小さなメジャーを付けているため、その場ですぐに測ることができる。期待しながら魚体を伸ばし、数字を確認した。
結果は、29.5cm。
自己記録は更新した。
確かに大きな鮎だった。しかし、尺鮎まであと5mm。
思わず、
「尺に足らんやーん」
と口にした。
記録更新の喜びはもちろんあった。それでも、見た瞬間には30cmを超えたと思っていただけに、少しだけ悔しさも残った。
29.5cmでも、十分に特別な一匹
あと5mm届かなかったとはいえ、29.5cmは自分にとって正真正銘の自己記録だった。
激流の中で掛け、細い仕掛けで無理をせず、竿の力を使いながら最後まで耐えた。その過程まで含めて、記憶に残る一匹になった。
この日は、およそ20匹前後釣ったと思う。
正確な数までは覚えていないが、釣果そのものにも恵まれた一日だった。
ただ、今でも最も強く覚えているのは、やはり29.5cmの鮎だ。
そして、もう一匹。
計測できなかった、さらに大きく見えた鮎のことだった。
29.5cmより大きく見えた、もう一匹
29.5cmの鮎を釣った後だったと思う。
さらに大きく見える鮎を、もう一匹掛けた。この魚も無事に取り込み、その時点では引舟へ入れていた。
逃したのは、掛けている最中ではない。
釣りを終え、魚を測ろうとしたときだった。
引舟から鮎を取り出し、網へ移して計測しようとした。その瞬間、鮎が網の中から勢いよく飛び出した。
まるで鯉の滝登りのように、網を乗り越えて川へ戻っていった。
その鮎は、29.5cmの一匹より明らかに大きく見えた。ただし、実際に測る前に逃げたため、何cmだったのかは分からない。
尺鮎だったのかもしれない。
それ以上だったのかもしれない。
反対に、見た目ほど差がなかった可能性もある。
測れていない以上、数字を付けることはできない。今も分かっているのは、29.5cmより大きく見えたということだけだ。
運が悪かったのではなく、自分の失敗
この一匹については、「運が悪かった」で終わらせるつもりはない。
無事に釣り上げ、引舟へ入れるところまではできていた。それなのに、最後の最後で逃がした。
もっと慎重に移していれば、防げた可能性は高い。大きな鮎だったからこそ、普段以上に注意するべきだった。
完全に自分の失敗だったと思っている。
釣り上げた時点で満足し、計測する場面で少し気が緩んでいたのかもしれない。
どれだけ大きな魚を掛けても、最後まで確実に扱わなければ記録には残らない。この出来事は、そのことを改めて教えてくれた。
29.5cmの自己記録を釣った喜びと、さらに大きな一匹を自分の不注意で逃した悔しさ。
この二つが、同じ日の記憶として残っている。
脂の乗った鮎を塩焼きで味わう
持ち帰った鮎は、塩焼きにして食べた。
魚体が大きいだけでなく、背中側には脂がしっかりと蓄えられていた。終盤の鮎らしく、食べ応えのある一匹だった。
料理の写真は残っていない。
ただ、大きく育った鮎を自分で釣り上げ、その日のうちに味わったことは、今でもよく覚えている。
釣って楽しく、食べてもおいしい。
鮎釣りの魅力を、改めて感じた一日だった。
次こそ、正真正銘の尺鮎を
自己記録は、28cmから29.5cmへ更新された。
あと5mm。
数字だけを見れば、本当にわずかな差だ。しかし、その5mmが簡単ではない。
今回の一匹は、仕掛けの細さを意識しながら、無理をせず竿を曲げて耐え抜いた一匹だった。
その経験は、次に大きな鮎と出会ったときにも必ず生きると思う。
そして、計測前に逃がしたもう一匹のことも忘れない。
次に同じ場面が来たときは、最後まで慎重に扱う。掛けて、取り込み、測るところまで終わって初めて記録になる。
次こそは、正真正銘の尺鮎を。
四万十川上流域で出会った29.5cmの鮎は、その目標をさらに強く意識させてくれた一匹だった。
初めての鮎友釣りから始まった挑戦
今回、自己記録となる29.5cmの鮎に出会うことができた。
ただ、自分の鮎友釣りも、最初から大きな鮎を掛けられたわけではない。
仕掛けの扱い方も、オトリの送り方も分からない状態から始まり、実際に川へ立ちながら少しずつ覚えてきた。
初めて鮎の友釣りに挑戦した日のことは、こちらの記事にまとめている。



コメント